みなさんは金属加工にどのようなイメージをお持ちですか?
- 油のにおい
- 汚れる
- 力仕事
この3つのイメージに関しては、わたしは約20年間モノづくりを経験してきましたが、否定することはできません。
確かに現場環境で多少の違いはでてきますが、扱う材料が金属になると完全に避けることはできません。
どちらかと言えば、大変そうなイメージですよね?!金属加工の仕事。
そんな金属加工を簡単に解説します。
仕事に興味のある方の参考になれば嬉しいです。
最後に・・・金属加工の魅力についても書いています。
注意ポイント
この記事では・・・金属加工を経験したことがない人に向けての記事となります。
金属加工の種類
金属加工を掘り下げれば説明しきれなくなるので、今回は2つの加工を解説します。
- 切削(せっさく)加工
- 研削(けんさく)加工
切削加工
切削加工は古くから用いられる加工方法であり、加工する材料に工具(刃物)をあてて削ることで成形する加工技術です。
その中で、未経験者が知っておくべき加工機械はこちらです。
- 旋盤
- フライス盤
- ボール盤
他にも、さまざまな機械がありますがこの3種類は頭に入れておきましょう。
加工内容によって機械を使い分ける必要があります。
機械によって何が得意なのか?を見てみましょう。
旋盤
旋盤加工は、刃物を固定し削る材料を回転させて加工します。
材料を回転させて加工する特性上、円柱形の材料を加工するのに適しています。
また、旋盤の基本である外径・内径加工の他に様々な加工の種類があります。
加工に高い技術が必要ですがネジ切り加工まで旋盤ですることが出来ます。
フライス盤
フライス加工は、削る材料を固定し刃物を回転させて加工します。
旋盤と違い材料を固定して加工するフライス盤は、主に四角などの角ばった形状を加工するのに適しています。
フライス盤では、主に平面削り・側面削り・溝削り加工が出来ます。
ボール盤
ボール盤加工は、削る材料を万力などで固定しドリルで加工します。
旋盤・フライス盤で穴あけ加工できますが、ボール盤は穴あけ加工に特化しています。
研削加工
研削加工は、砥石を使い精度をさらに高め、きれいに仕上げる加工技術です。
特に平面度・真円度など高い精度と表面粗さが必要な仕上げに適しています。
主な研削加工は以下の3種類です。
- 平面研削
- 内面研削
- 円筒研削
簡単にですが、それぞれの特徴を説明します。
平面研削
平面研削とは、材料の平面を研削することです。
平面研削盤のテーブル面に材料を取り付け、回転砥石に近づけて加工します。
字のごとく材料の平面部分を整える加工であり、平面度や表面粗さの精度を高めます。
内面研削
内面研削とは、穴の内面を研削することです。
内面研削盤に固定した材料を回転させ、材料の穴に回転している砥石を近づけて加工します。
穴の内径精度要求が高い場合にする加工です。
円筒研削
円筒研削とは、円筒状の外面を研削することです。
円筒研削盤に両端のセンタで固定された円筒状の材料を、回転した砥石を近づけて加工します。
外面の表面粗さ以外に、真円度など切削加工で補えない部分を満たすことが出来ます。
金属加工のまとめ
切削・研削加工の一部ですが簡単に説明しました。
加工箇所によって機械を使い分ける必要があり、どの加工にも大切な役割があります。
切削加工は、材料の無駄な部分を削り取る加工に対して、研削加工は、表面の仕上げとなる加工と認識してもらえれば大丈夫です。
金属加工を経験されたことがない人に向けて主な加工の一部を解説しました。このような加工があるんだと思ってもらうだけで大丈夫です。
それでは、金属加工の魅力を書いて最後にします。
金属加工の魅力
みなさんの身近にある車やOA機器など様々な分野で金属加工が必要とされています。
金属加工が無ければ、物づくりは有り得ないと言っても過言では無いでしょう。
油のにおい・汚れる・力仕事など楽な環境でないのも事実ですが、それ以上に物づくりには完成した時の喜びがあります。
つくりあげた製品は、必ず誰かが使い役に立つことが・・・金属加工(モノづくり)の魅力です。