これからの働き方はどうなるの?
同一労働同一賃金とは?
ここ数年で私たちの働き方や仕事に対する考え方は大きく変化し始めています。
少し前までは「正社員=安定」「非正規=不安定」だと考えられていました。
これからは正社員・非正規という雇用形態や待遇差がなくなりそうです。
この記事では以下の3点について考えます。
- 正社員で働くメリット・デメリット
- 同一労働同一賃金
- これからの働き方
なお、記事の結論としては「自分にあった仕事・働き方を考えて、変化に対応できる人になろう!」ということです。
本記事を通して、働き方を考えるきっかけになれば嬉しいです。
大手製造メーカーにて、経理事務を15年経験。
現在はフリーランスとして活動中!
正社員で働くメリット・デメリット
私が初めて就職活動をしたのは、今から20年ほど前です。超就職氷河期といわれる時代でした。
その当時やりたい仕事はあったのですが、最終的に選んだ会社は正社員として採用してくれた会社です。
「正社員」として働くことに強いこだわりを持っていました。
あれから20年が経ち「働き方改革」の実施など労働環境は大きく変化しています。
◆働き方改革◆
厚生労働省では一億総活躍社会の実現に向けて、3つの取り組みを推進しています。
- 長時間労働の是正
- 多様で柔軟な働き方の実現
- 雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等
つまり、労働者である私たちがそれぞれの事情に応じた多様な働き方を自分で「選択」できるようにするための改革です。仕事とプライベートを充実させ、より良い未来につなげるための改革といえます。
まずは正社員で働くメリット・デメリットについて考えます。
正社員で働くメリット
正社員で働く「メリット」は雇用の安定・給与面などです。毎月一定の収入が見込めるだけで、収入面での不安がなくなり生活の安定につながります。
仕事内容においても責任の重さが違うので、やりがいやモチベーションに影響します。長く働ける環境の会社であれば仕事に専念できるため、出世やスキルアップの可能性が広がります。
正社員で働くメリットを以下にまとめます。
- 年収が多い
- 賞与・退職金がある
- 昇給・昇進の機会がある
- 非正規の人よりリストラされにくい
- 待遇がいい(福利厚生)
正社員で働くデメリット
正社員で働くメリットは多いですが、「デメリット」も多くあります。正社員のデメリットをやりがいとして捉えられる人はいいですが・・・
仕事内容は非正規と異なり責任の重さ・業務の負担が大きいです。
正社員で働くデメリットをまとめます。
- 転勤
- 出張
- 会議
- 残業(サービス残業を強いられる会社もあり)
- 飲み会・イベント参加
- 責任
当時の私を振り返ると、サービス残業が多くハードな職場環境でした。サービス残業は違法行為ですが、何かと理由をつけては長時間労働を強いられていました。
非正規で働く人は時間きっちりで給与をもらえるので、うらやましいと思ったことが何度もあります。
転勤は半年に1回ペースであり、引越をともなう場合もありました。また、突然決まる出張さらには出張先で次の出張を命じられることもあります。正社員で働くことは、なかなかハードです。
同一労働同一賃金が始まっている
正社員で働くメリット・デメリットを書きましたが、私の経験談が中心のため内容によっては時代遅れに感じるかもしれません。
時代はどんどん変化しています。ここからは現在・未来のことを書いていきます。
質問
同一労働同一賃金という言葉を知っていますか?
働き方改革関連法案が成立し、同一労働同一賃金が施行されています。
- 2020年4月~ 大企業
- 2021年4月~ 中小企業
個人的には、正社員・非正規にかかわらず「すべての働く人に大きな変化を与える制度」と考えています。
非正規で働く人は「正社員と同じ仕事をしているのに・・・」と待遇差の違いに不満を感じていたなら、嬉しいニュースかもしれません。
正社員にとっては、不安がよぎるニュースではないでしょうか?!
以下2点について簡単に解説します。
- 同一労働同一賃金とは?
- 同一労働同一賃金の目的
詳しくは厚生労働省のホームページをご確認ください。
同一労働同一賃金とは?
同一労働同一賃金とは非正規(パート社員・契約社員・派遣社員)の雇用形態であっても、「正社員と仕事内容が同じ人には同じ額の賃金が支払われるべき」という考え方です。
正社員・非正規の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。
- 基本給
- 賞与
- 各種手当
- 福利厚生
- 教育訓練
上記の項目について不合理な待遇の禁止等、具体的なルールが決められています。
厚生労働省が策定した「同一労働同一賃金ガイドライン」の原則に基づいて実施されています。
同一労働同一賃金の目的
同一労働同一賃金の目的とは「正社員と非正規の間の不合理な待遇差を解消」することです。
つまり、非正規の賃金・待遇を引き上げることです。場合によっては、正社員の待遇を下げることで非正規と合わせようとする会社もあります。
現実的には、労働力の確保が重要なので低いところで合わせることはむずかしいでしょう。
雇用形態に関係なく、納得が得られる処遇を受けられるようになります。
多様な働き方を自由に「選択」できるような社会を目指しています。
これからは正社員・非正規という雇用形態ではなく、仕事内容・責任の範囲などによって賃金が決まります。
実は、ヨーロッパでは既に始まっている取り組みです。
以下のような個人の意思や努力によって変えることのできない属性等を理由にしての差別を禁止しています。
- 雇用形態
- 性別
- 人種
- 国籍
- 宗教
「写真付き」の履歴書は日本独特の応募書類だと知っていましたか?!
海外では見た目や第一印象で合否を決めたりしないそうです。
ヨーロッパ的な働き方を導入することで「働きやすい環境を作り、労働力の向上を図ろう」としています。
正社員のメリットはなくなるのか?
正社員・非正規という雇用形態がなくなる日はいずれ来るでしょう。
どういう形で雇用されるかではなく「どういう仕事内容をするか」が重要になります。
- 仕事内容
- 責任の範囲
- 転勤の範囲
- 役割
これからは待遇差を合理的に説明できなければなりません。ということは・・・
正社員のメリットはなくなるのか?
気になる点だと思います。
同一労働同一賃金の制度によって、正社員で働く人は将来の自分の雇用や賃金面での不安を感じる人は多いかもしれません。
個人的には、正社員・非正規という雇用形態で考える時代が終わると考えています。
正社員で働くメリットよりも、どのような仕事をするのかが重要です。
仕事内容に見合った賃金・待遇に変わるため、雇用形態にかかわらず能力の高い仕事をしてきた人は仕事への意欲が増すでしょう。
同一労働同一賃金の制度により期待できることは以下の通りです。
- 仕事の評価があがる
- 納得のいく待遇
- モチベーションの向上
- スキルアップに取り組める
今までのキャリア・スキルやこれからの働き方について向き合う必要があります。
結論:変化に対応できる人になろう!
働き方改革に加え、コロナ禍で「働き方」が大きく変わりました。通勤がなくなりテレワークになる人が増えるなど働き方が変わるとともに、経済活動にも大きな変化を与えています。都会集中だった社会構造が地方へ分散しています。
労働環境だけでなく、常に社会は変化しています。
大切なことは「変化を受け入れ、変化に対応する」ことです。
本記事を通して、1人1人が働き方を考えるきっかけになることを願います。まずは意識だけでも変化に対応してほしいと思います。
受け身ではなく、行動をもって変化に向き合いましょう。
「自分にあった仕事・働き方を考えて、変化に対応できる人になろう!」これが結論です。